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フィレオフィッシュが食べられなくなる日 [雑談]

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クーリエジャポン4月号の見出しのこの言葉は衝撃的だ。

乱獲が続く海産資源。
黒マグロの海外取引禁止でニュースにもなり、今話題になっているが海産資源の乱獲と海の生態系の変化。しかし、マグロ問題なんて氷山の一角でしかない。

マクドナルドのフィレオフィッシュはタラ科の魚を使っているが、近年最も使用されていたのがニュージーランド近海の深海で獲れる「ホキ」という深海魚。いわゆる代用魚だ。スーパーの魚売場でも商品名の偽称問題などから、最近では見慣れないカタカナの魚の名前が表示されているが、何故そんな代用魚を流通させなきゃいけなくなるのかと言えば、食べもしない魚を毎日大型スーパーなどの店頭に並べ続けなければならないために、日本人が古くから食用としてきた魚では供給が不足しているからこそ、このような代用魚が横行する原因になっている。

更に、マクドナルドのような巨大ファーストフード企業だと、世界中の店で1日消費されるフィッシュポーションの量は莫大。この莫大な量の食材を調達するためには、見た目や味、食感が似た魚を大量に安定的に確保しなければならないと言うことから、今では深海魚にまでその選択肢は広がっていたということでもある。

この「ホキ」という深海魚だが、クーリエの調べによると年間に6800トンも水揚げされており、持続可能だといわれていたが、近年漁獲量が減少の傾向にあるということで、ニュージーランド政府も漁獲制限などを設け始めている。このホキだけでなく、マクドナルドは世界中でスケソウダラに似た肉質と淡白な白身魚を使用してフィッシュポーションを作っている。

今回クーリエはマクドナルドのフィレオフィッシュに使われている魚に焦点をあてて、魚の乱獲や食料調達の争奪の様子を記事にしているが、決してマクドナルドが社会悪だと言うことを一概には言えない。最も問題なのは、「獲った魚は全て食べられてるの?」という素朴な疑問だ。しかし、まともな大人なら誰しも、スーパーや魚屋の店頭、更には加工工場で加工されている魚が100%きちんと食べられてなんているわけがないと言うことはわかっている。

大量に廃棄されているのは確かなことだ。全てのものには限りがあるにも関わらず、様々な業者が同じ魚を寄ってたかって獲得しようとし、市場に流れても、それが売れてしまう。しかし、市場で売れてしまっているからと言って必ずしも人様の腹の中に納まっているわけではなく、食べられることなく多くの魚が捨てられているのが実情。更に、黒マグロのように希少だからこそ、高級で高値で取引される魚ですら、あらゆる漁法であらゆる流通ルートとりひきされ、安値で提供され始めている。消費者サイドから言えば、喜ばしいことではあるが、しかしその結果、世界中の黒マグロはこのままでは絶滅の危機に瀕していると言える。(このままのペースで獲り続ければ・・・)漁法も進化し、昔よりも簡単に大量に水揚げできるようになったからこそ、市場の欲求に応える形で、どんどん獲り流通されてゆくのだ。

その結果、何でも安く、誰でも手軽に食べることができるようになったかもしれないが、その反面では自然破壊ともいえる過剰な漁獲争い・・・本当に全てがキレイに食べられたとしても、その後ろには深刻な問題がつきまとっている。

自然の生態系の変化は様々なところで、様々な問題を巻き起こしている。例えば、花粉症なんていうのは最も代表的名例と言える。日本で林業がまだまだ盛んだった頃は、杉の木は真っ直ぐに成育し、建築資材などに適しているということで、杉がどんどん植林されて行った。木としては、ヒノキなど、高級木材と言われるその他の木も沢山があるが、生育が早く、真っ直ぐに育つと言うことから、山の木は殆ど杉に植え替えられてしまった。しかし、現代は日本の木材は使われなくなった。海外の安い木材が日本に入り、過去に大量に植林した杉は全く消費されなくなったことから、山は荒廃し、スギ花粉が大量に飛散するという公害ともいえる状況が起きている。(スギたるは及ばざるがごとき・・・)

人間は愚かな生き物だ。その昔、工業化によって、海や川、空の汚染が酷かった。汚染が取り除かれ、一見クリーンになってきたかに見えるが、今度は生態系・・・まだまだ我々人間は自然から手痛いしっぺ返しをされ続けることだろう。フィレオフィッシュが食べられなくなる日はおそらく来ることはないと思う。しかし、魚の大量消費による、海の生態系の変化は、人が計り知れない問題がまだまだ潜在的にあるということだけは確実に言える。

魚の養殖も研究されているが、先ず今すぐに考えるべきは、その魚ホントに全部食べれるの?・・・という視点から見直すべきではないだろうか?


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コメント 1

とおりすがり

ホキは一切つかっていませんよ。
日本国内のフィレオフィッシュのポーションはすべて助宗たらです。
安定した供給、原料のトレースまできちんと整備するため日々苦労しています。
<<一担当者>>
by とおりすがり (2013-05-01 08:46) 

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